講明館は、空手道剛柔流の開祖宮城長順(1888-1953年)の長男で宗家2代目の宮城敬(1919-2008年)が1955年(昭和30年)の開祖三回忌を機に命名、設立されました。「講明」とは意義を説き明かすこと、事理を講究し明らめることという意味です。
師父亡き後、敬は空手の道を講究しその真理を明らかにせんと研鑽を重ね、開祖の指導理念の基に正統剛柔流の普及に一生を捧げました。89歳で逝去するまで自身の健康維持に空手道を実践、精神的・肉体的鍛錬法として、その利点を明らかにしてきました。
私の祖父である開祖長順は沖縄の伝統「手」を近代空手道として確立しようと、それまで秘密裏に一部の人に口伝とされてきた技のすべてを、「理」にかなった身体動作として厳密に定義づけ、「剛柔」の哲理で攻防自在の「手の道」を説きました。
空手道修練で私がいつも心がけていることが、この「理にかなっている」ということです。宗家剛柔流講明館では、予備運動(剛柔体操)から形の演武、そして組手までのあらゆる稽古を通し、「伝統と創造」をテーマに稽古に励んでおります。
講明館館長 宮城 徹